gyoのSF界 島国76 産業革命
イギリスで産業革命が起きた。王侯貴族は使用人を工場労働者にした。王侯貴族は使用人を工場で低賃金で働かせた。王侯貴族は使用人を人間とはみなしていない。使用人が王侯貴族より金持ちになることを、王侯貴族は認めない。教育は王侯貴族の占有なのだ。
今、教育はすべての人が平等に受けられる。しかし、金持ちになったものは、金を手放さないような手段を講じる。株、金、会社、特許。金持ちは、これらの手段を使って、さらに金持ちとなる。
金持ちは、さらに金を集め、巨大資本に成長していく。資本は国内の賃上げ要求により、工場生産での利益が減少した。そこで、巨大資本は国内から脱出し、低賃金の国へ工場を移動した。
資本の国外脱出とともに、今まで築いてきた工業技術も国内から消滅した。
資本家は、工業技術を財産とは思わない。国内の工業技術者は、低賃金の国へ工場が移されるとともに、工業技術と一緒に低賃金の国に奪われた。
技術者は、資本家に対して不信を抱いた。俺たちは、国内では価値のない人間になってしまった。でも資本は、国内から技術を消滅させ、技術者を無視した。
繊維産業は、国内に必要ないのか。おもちゃ産業は、国内に必要ないのか。
外国にあった会社を定年で辞め、国内に帰ってきたとき、そこに今まで勤めていた工場はなくなっていた。あるのは、事務を扱う部門が細々と営業しているだけだった。その事務所は、国内の需要にこたえるために、海外に出てしまった工場から部品を輸入する業務によって、ほんのわずかに利益を得ているだけだった。その事務所には、海外から定年で帰ってきた工場労働者や技術者の働く場所はなかった。
海外に行ってしまった工場は、現地で先進諸国から移ってきた他の工場と協力して、効率的に部品を生産し、製品を組み立て、先進諸国へ輸出している。もう、国内には工場労働者や技術者の働く場所はない。
イギリスで起きた産業革命は、安い労働力を求めて、ヨーロッパやアメリカへと工場が移動した。そして今、工場は、そのヨーロッパやアメリカからアジアへと移動した。
イギリスから、あんなに盛んだった繊維工場が、採算が合わないために完全に消えた。他の素材メーカーや部品メーカーも、人件費の高騰とともに海外へ行ってしまった。そして国内には、単純労働者用の職場が消え、失業者を増大させた。
でも、資本家は、国内の工場が減少していくことよりも、自分の財産が減少するのを防ぐ手立てしか講じなかった。これが、さらなる貧富の格差を発生させた。
資本家は株に投資し、株価の上昇とともに莫大な利益を得た。技術者の発明を会社の特許として登録し、会社の経営者は莫大な利益を得た。業績不振の企業を吸収合併することで、業界の独占や寡占がすすみ、価格操作が可能になり、利益を求めて価格を上昇させた。
薄利多売といいながら、莫大な数の消費者を独り占めすることで、莫大な利益を上げる。生命保険会社は、互いに保険を分担することで、倒産の危険を軽減している。しかし、ここにも薄利多売で莫大に儲ける原理は生きている。保険会社は、危険の発生率の高低にもかかわらず、保険料を株式で運用させ莫大利益を得ている。しかし、保険会社は掛け捨て保険により、株の運用で得た利益は顧客に還元しなくてもよい。これで保険会社はさらなる富を経営者に与える。
石油の先物取引は、石油価格を上昇させ、消費者を物価上昇で苦しめる。でも、先物取引で得をするのは、産油国と石油会社だ。でも、実際には、物価全体が後から上昇してくるので、結局どこも儲かっていない。
これらの資本活動が、次第に物価を上昇させる。銀行の金利が高いのも、物価を上昇させる原因になる。5%の預金金利が100万円を1年後には105万円にする。この預金の自然増を経済界が予見して、同じ5%の物価上昇をもたらす。
物価上昇は、低所得者には負担になる。定年後の低所得者にも負担となる。なぜなら物価は上昇するが、所得の増加はかなり遅れてやってくるからです。しかも、所得の増加よりも、失業により所得の減少が起きる危険性がある。
もうね、仲良くしよう。
そんなにお金に働かされるのはやめよう。
せめて金が金を生む株は、株取引で得た利益の半分以上を世界のために収めさせよう。なぜなら、株の上昇は物価の上昇を招くので、上昇を抑えるための税制を講じよう。
生命保険、傷害保険など、薄利多売で異常に儲けたお金の半分以上を世界のために収めさせよう。保険会社がお金を世界から吸収して、世界を貧困に陥れるのを防ぐための税制を設けよう。それからなによりも、保険率が正常かどうかを判断できる行政になってほしいな。これができたら、保険料はもっと安くするように指導できると思う。
貯金の金利を0%に維持しよう。物価の自然上昇で低所得者や年金暮らしの人たちを苦しませないために。
中国には、外国のために製品を生産するのをやめてもらおう。自分の国で消費するだけを生産すれば、労働者は子供や自分のための時間を得ることができる。先進諸国の人も、国内に職場が再構築されるので就職が自国でできる。自分の国で生産し自分の国で消費すれば、輸出入にかかるエネルギーが節約され、温暖化をいくらかでも少なくできます。
自動車に乗るより、バスや自転車に乗るようにすれば、自動車で使っていた燃料代が節約できるので、地球の温暖化をいくらかでも少なくできます。また、少しは歩いたりして体を動かす量が増えるので、健康にもなるし、病気になりにくいから医療費も少なくできます。
国内に産業が存在すれば、失業者問題が解決する。賃金格差が小さくなれば、職業の貴賎意識はなくなり、どの職業の人に対しても平等に接することができる。決して、臨時職員だからといって賃金格差をしなければ、自分の能力をさらに磨くために、様々な職場で経験をつみ、自分を豊かにできる。転職によりあらゆる可能性を秘めた人間たちが生まれ、更なる科学技術の可能性を、開拓できる。
それとも、日本の貿易黒字で、アメリカの優良企業を買収しますか。中国の貿易黒字は、民間に任されるようになったときから、アラブの石油を手に入れたり、インドのソフト会社を買収するだろうか。そして、本格的に経済を自国のものにするだろう。そんな時代が来ることは、誰も望まないはず。
さあ、お金に使われて、地球を滅ぼすか、お金を制御して、地球を救うのか。世界の指導者は、世界中の知識人たちの能力を最大限に借りて活用しなければならない今です。お金は、大量生産大量消費という地球を滅ぼすことも意に介せずに、人間を欲望へと導く。その先にあるのは、地球温暖化という破滅です。
気温の上昇は、気候変動を激しくさせ、旱魃、豪雨、異常高温、異常低温を、地球的な激しい大気移動によってもたらす。そして、食糧生産高は、世界人口を養えないほどに減少し、食料を求めるための戦争が激発し、最終兵器の核ミサイルが飛び交う。
こんな未来を防ぐには、世界のすべての指導者が金に振り回されてはならない。もう、仲良くしよう。地球を救おう。地球の将来のために。人類の将来のために。
ブッシュよ、せめて辞める前に地球温暖化対策の道を開いておけ。これが名誉挽回の最後のチャンスだ。